
「新築を建てるなら、絶対に食洗機(食器洗い乾燥機)をつけたい!」そう考えている方は多いのではないでしょうか。
SNSを見ても「家事が劇的に楽になった」「絶対につけるべき神設備」という絶賛の声をよく目にします。
しかしその一方で、実際にマイホームを建てた人の中には「つけて失敗した」「全然使っていない」と後悔している人がいるのも事実です。
せっかくの注文住宅で、高いお金を払って設置した食洗機が「お荷物」になってしまったら悲しいですよね。
でも、安心してください。
食洗機で後悔している人の理由は、いくつかの決まったパターンがあります。
事前にその理由を知り、対策を立てておけば、新築での失敗は100%防ぐことができます!
この記事では、建築士の視点も交えながら、食洗機選びで後悔しないためのポイントを初心者向けにわかりやすく解説します。

まずは、新築ハイで設置したあとに「こんなはずじゃなかった…」と後悔しがちな7つの理由を見ていきましょう。
もっとも多い後悔が、この「容量不足」です。
【後悔の例】
「フライパンや鍋が入らない」
「大きなお皿が引っかかる」
「子供の水筒が縦に入らない」
せっかく食洗機があるのに、調理器具や大きなお皿を手洗いすることになり、「二度手間感」を抱く人が後を絶ちません。
【原因】
「浅型(コンパクトタイプ)」を選んでしまったこと、または「○人家族用」というカタログの数字だけを見て、実際の食器のサイズや形(深さなど)を考慮していなかったことが原因です。
「食べ終わったお皿をそのまま入れるだけ」と思っていると、現実とのギャップに後悔します。
【後悔の例】
「カレーのドロッとした汚れ」
「お茶碗にこびりついたご飯粒」
「ギトギトの油汚れ」
これらをそのまま入れると、汚れが落ちきらなかったり、食洗機内のフィルターがすぐに詰まったりします。
結局、「水で流してカピカピの汚れを落とす(予洗い)」という作業が必要になるため、「これなら最初から手洗いした方が早いかも…」と感じてしまうのです。
食洗機が動いているときの「音」を計算に入れていないケースです。
【後悔の例】
「リビングでテレビの音が聞こえにくい」
「夜中に動かすと寝室まで音が響く」
最近の間取りは、キッチンとリビング・ダイニングが一体になった「LDK」が主流です。
壁などの遮るものがないため、食洗機が水を噴射する音や排水の音が、思った以上にリビングに響きます。
特に電気代の安い夜間に運転させたい人は、音の大きさに注意が必要です。
食洗機は設置して終わりではなく、使い続けるのにお金がかかります。
【後悔の例】
「毎月の電気代・水道代が気になる」
「専用洗剤が地味に高い」
手洗いに比べて水道代は節約できることが多いですが、電気代はかかります。
また、食洗機には「普通の台所用洗剤」は使えません(泡が大量発生して故障するため)。
必ず少し割高な「食洗機専用洗剤」を買う必要があるため、出費が気になるという声もあります。
設置したものの、徐々に使わなくなり「ただの食器カゴ」化してしまうパターンです。
【後悔の例】
「夫婦2人だけだから手洗いのほうが早い」
「もともと手洗い習慣が染み付いていて、食洗機に入れるのが面倒」
家族の人数が少なかったり、毎食後すぐに洗う習慣がある人の場合、食洗機に食器をパズルのように並べて入れる作業自体がストレスになり、使わなくなってしまうことがあります。
家電製品である以上、いつかは壊れます。
【後悔の例】
「10年目で壊れて、交換に15万円以上かかると言われた」
システムキッチンと一体になっている「ビルトイン食洗機」は、置き型の食洗機に比べて修理費や交換費用(工事費)が高額になりやすいです。
将来のメンテナンス費用を予算に入れておかないと、故障した時に痛い出費となります。
浅型を選んだ人の多くが、数年後にこの後悔を口にします。
【後悔の例】
「大は小を兼ねるという言葉を信じるべきだった。浅型は本当に物が入らない」
予算を削るために浅型にしたものの、毎日の家事ラク効果を実感しにくく、「数万円ケチらずに深型にしておけばよかった」と悔やむ人が非常に多いです。

食洗機を選ぶ際、最初にぶつかる壁が「浅型(ミドルタイプ)」と「深型(ディープタイプ)」のどちらにするかです。
需要の高いこの2つをわかりやすく比較表にまとめました。
【比較表】浅型 vs 深型
| 項目 | 浅型(ミドル) | 深型(ディープ) |
|---|---|---|
| 容量(入る量) | △(少ない) | ◎(たっぷり) |
| 本体価格 | ◎(リーズナブル) | △(やや高め) |
| シンク下の収納量 | ◎(引き出しが増える) | △(収納が減る) |
| 採用する人の人気度 | △(予算重視派) | ◎(圧倒的人気) |
| 後悔率 | 高め | 低め |
迷ったら「深型」を選んでおくのが無難です。
浅型にして後悔する人は多いですが、深型にして「広すぎて後悔した」という人はほとんどいません。

最近、インスタなどのおしゃれな家づくりアカウントで大人気なのが「海外製の食洗機」です。
国産(パナソニックなど)と海外製(ミーレ、ボッシュなど)の違いを整理しましょう。
日本のキッチンメーカーの多くが標準仕様として採用しているのが国産です。
【メリット】
【デメリット】
圧倒的なステータスと性能を誇るのが、ドイツ製を中心とした海外製です。
【メリット】
【デメリット】

そもそも「本当に食洗機って必要なの?」と悩む方もいるでしょう。「あえてつけなかった手洗い派」と「大満足している食洗機派」の声を比較してみます。
手洗いが苦にならず、キッチンをすっきり広く使いたい人は、無理につける必要はありません。
特に20代〜40代の子育て・共働き世帯にとっては、食洗機はなくてはならない存在になっています。

ここで、設計のプロである建築士としての視点をお伝えします。
私は、食洗機が「良いか悪いか」という設備そのものの性能よりも、「ご家族のライフスタイルと家事の動線(流れ)に合っているか」が一番重要だと考えています。
特に20代から40代の子育て世帯において、食洗機は単なる「お皿を洗う機械」ではありません。
「お金で家族の時間を買う装置」です。
お皿洗いに費やしていた毎日30分を、子供と絵本を読む時間や、夫婦でゆっくりテレビを見る時間、あるいは早く寝て体力を回復する時間に変えることができます。
そう考えると、多少初期費用が高くても「深型」や「海外製」を導入する価値は十分にあります。
ただし、設置する際は「キッチンの間取り(レイアウト)」にも命を吹き込んでください。
次の章で紹介するチェックポイントが、まさにそのカギとなります。

新築の図面が完成する前に、必ず以下の6つのポイントをチェックしてください。
どれか一つでも欠けると、使い勝手が悪くなってしまいます。
現在の人数だけでなく、これから子供が生まれる予定があるか、子供が大きくなって食べる量が増えるかを想像してください。
子供が中高生になると、使うお皿のサイズもドカンと大きくなります。
予算が許すのであれば、基本的には「深型」を強くおすすめします。
毎日の「これ入るかな?」というプチストレスをなくすためです。
予算(初期費用と将来の交換費用)のバランスを考えましょう。
「とにかく1日1回、夜にまとめて全部洗いたい!」という割り切った使い方なら、海外製が最強の相棒になります。
盲点になりがちなのが「ゴミ箱の配置」です。
食器を食洗機に入れる前には、食べ残しをゴミ箱に捨てる必要があります。
【シンク ➡ ゴミ箱 ➡ 食洗機】がスムーズに移動できる距離にあるか、図面で確認してください。
食洗機が洗い終わったあと、お皿を片付けるのが面倒だと本末転倒です。
食洗機を開けた状態で、一歩も動かずに(または最小限の動きで)普段使いのお皿を食器棚に戻せる配置になっているかが重要です。
食洗機の寿命は約10年です。
将来、故障して交換する際、特殊な海外製や廃盤になりやすい特殊サイズのキッチンだと、交換費用が跳ね上がることがあります。
あらかじめ、将来の交換時の手軽さ(一般的な規格かどうか)をハウスメーカー、工務店の担当者に確認しておきましょう。

食洗機選びで後悔しないためのポイントをまとめます。
食洗機は、あなたの暮らしを助けてくれる強力なパートナーです。
「人気だから」「みんながつけているから」という理由だけで選ぶのではなく、ご自身の家族構成や、毎日の料理・片付けのスタイルを振り返って、最適な一台を選んでくださいね。
あなたのマイホームづくりが、素敵なものになることを応援しています!