カップボードで後悔する人が続出?新築で失敗しやすい7つの理由と対策を解説

カップボードで後悔する人が続出?新築で失敗しやすい7つの理由と対策を解説

収納力重視で大きなカップボードを付けたのに、使いにくい・ゴミ箱が置けない・家電が並ばない・圧迫感があるなどの後悔は少なくありません。この記事では、新築で失敗しやすい実例と後悔しないための対策を建築士が解説します。
管理者:一級建築士| ganチャン
管理者:一級建築士| ganチャン


「キッチン収納はたっぷり欲しいから、とにかく大きなカップボード(食器棚)を付けたい!」 そう考えて間取りを計画する方はとても多いです。


しかし、いざ新しい家での生活が始まると、

  • 「思ったより収納が使いにくい……」
  • 「ゴミ箱を置くスペースが足りなくて通路に溢れている……」
  • 「使いたい家電が並びきらない!」
  • 「キッチン全体に圧迫感があって狭く感じる……」

などの理由で、後悔するケースが後を絶ちません。


カップボードは、一度設置すると簡単に買い替えや位置の変更ができない「一発勝負」の家具です。


この記事では、新築でカップボードを設置して後悔したリアルな実例と、失敗を未然に防ぐための具体的な対策を建築士の視点から分かりやすく解説します。



カップボードで後悔する人が多い理由

キッチン収納の中心だから失敗の影響が大きい

なぜ、これほどまでにカップボードで後悔する人が多いのでしょうか?その最大の理由は、「毎日何度も使う、キッチンの主役収納だから」です。


カップボードの計画を失敗すると、日々の料理や片付けのたびに小さなストレスが積み重なります。


さらに、以下の3つの特徴があるため、後から修正するのが非常に難しいのです。

  • 毎日使う: 朝昼晩、お皿の出し入れや家電の使用で必ず触れる場所です。
  • 買い替えしにくい: 特に造作(オーダーメイド)で壁に固定したものは、簡単に処分できません。
  • サイズ変更が難しい: キッチン全体の通路幅や、冷蔵庫の位置などと連動しているため、後から横幅や奥行きを広げることは不可能です。

だからこそ、間取りを考えている「今」の段階で、慎重に計画する必要があります。


カップボードで後悔する7つの失敗例と対策


ここからは、実際に新築を建てた人が陥りがちな「7つの失敗例」とその「対策」を詳しく見ていきましょう。

後悔① 大きすぎて圧迫感が出た

【よくある失敗】
「収納力は正義!」とばかりに、床から天井までぴったり隙間のない大容量の壁面収納(トールタイプ)を選んだ結果、キッチン全体が暗く、狭く見えてしまう失敗です。


特に20代〜40代に人気の対面式キッチンの場合、リビングから見たときにカップボードが主張しすぎて、せっかくの開放感が台無しになってしまうことがあります。

【対策】

  • 吊戸棚(つりとだな)は必要最小限にする: 上部の収納(吊戸棚)をあえて無くして、カウンタータイプ(下台のみ)にするか、手の届きやすい高さのロータイプを検討しましょう。
  • 窓との位置関係・抜け感を意識する: カウンターの上に「飾り棚(シェルフ)」を設けたり、窓を配置して外の光を取り入れたりすると、視線が抜けてキッチンが劇的に広く感じられます。


後悔② ゴミ箱スペースを確保していなかった

これは設計現場でも「非常に多い後悔」の代表格です。

【よくある失敗】
食器や家電のことで頭がいっぱいで、ゴミ箱の存在を忘れてしまうケースです。


いざ入居すると、燃えるゴミ、プラスチック、缶・瓶など、想像以上の数のゴミ箱が必要になります。


置き場所がないため、結局キッチンの通路にゴミ箱を並べることになり、引き出しが開けづらくなったり、通るたびに足をぶつけたりしてしまいます。

【対策】

  • ゴミ箱の「寸法」と「開閉方法」を先に決める: カップボードの下部を一部オープン(空洞)にして、ゴミ箱をすっぽり収納できるスペース(ダストボックスワゴンなど)を計画しましょう。
  • 分別数を考慮する: お住まいの地域のゴミ分別ルールを確認し、「何リットルのゴミ箱が何個並ぶか」を計算してからカップボードの横幅を決めてください。フタが上に開くタイプのゴミ箱は、カウンターの下でフタが当たらないか高さの確認も必須です。


後悔③ 家電を置くスペースが足りなかった

【よくある失敗】
「電子レンジと炊飯器が置ければ大丈夫」と思ってカウンターの幅を決めたものの、実際に暮らし始めると家電が溢れてしまう失敗です。
【置く家電の例】

  • 電子レンジ(オーブンレンジ)
  • 炊飯器
  • トースター
  • 電気ケトル
  • コーヒーメーカー / エスプレッソマシン
  • ホットプレートやミキサー

これらを一列に並べると、驚くほどスペースを消費します。


調理家電同士がギチギチに詰まっていると、放熱ができずに故障の原因になることもあります。

【対策】
将来増える家電まで考慮する: お子様が大きくなるにつれて、自炊のバリエーションが増えたり、時短家電(電気圧力鍋など)を買い足したりする可能性が高くなります。現状の家電プラス1〜2台分のゆとりを持つか、炊飯器などは専用のスライド棚に収めるなど、立体的に配置を考えましょう。


後悔④ コンセントの位置が悪かった・足りなかった

【よくある失敗】
家電の数は足りたものの、コンセントの数が足りずに延長コードだらけになり、見た目がごちゃごちゃになってしまう失敗です。


また、コンセントの位置が電子レンジの真裏になってしまい、プラグが干渉して家電が前に飛び出してしまうというケースもあります。


【対策】

  • 家電の配置(定位置)を決めてからコンセントを計画する: 「どこに何のアプライアンス(家電)を置くか」のシミュレーションとコンセント計画はセットです。
  • 回路(アンペア数)にも注意: 電子レンジとトースター、電気ケトルを同時に使うと、ブレーカーが落ちることがあります。消費電力の大きい家電を使う場所には、専用の電気回路(専用アース付きコンセント)を複数設けておくと安心です。


後悔⑤ 引き出しの中が使いにくい

【よくある失敗】
カップボードの下台を「開き戸(観音開き)」にするか「引き出し」にするか、または引き出しの「深さ」を深くしすぎて失敗するケースです。深すぎる引き出しに小さなお皿を重ねて収納すると、奥の方にある皿が取り出しにくくなり、デッドスペースが生まれてしまいます。

【対策】

  • 収納する物をリストアップする: 基本的に、現代のキッチン収納は奥の物まで見渡せる「引き出しタイプ」が主流で使いやすいです。
  • 上段は浅く、下段は深く: 1段目はお箸やスプーンなどのカトラリー(浅め)、2段目はお茶碗や平皿(中くらい)、3段目は大皿や深鍋(深め)といったように、あらかじめ仕分けるモノをイメージして引き出しの深さを選びましょう。


後悔⑥ パントリーと収納が重複した

【よくある失敗】
「収納はあればあるほど良い」と思い込み、大容量のカップボードのすぐ隣に、さらに大容量のパントリー(食品庫)を作ってしまう失敗です。


結果として、どちらの収納もスカスカになり、限られたキッチンの床面積(坪数)を無駄に圧迫してしまうことになります。


また、収納を増やした分だけ建築費用も上がってしまいます。

【対策】
明確な役割分担を決める:

  • カップボード: 毎日使う食器、調理器具、稼働する家電
  • パントリー: 常備菜のストック、ホットプレートなどのたまに使う重い家電、お米や飲料の段ボール このように「使う頻度」と「モノの性質」で仕分けをして、お互いのサイズを適正化しましょう。


後悔⑦ 高級仕様にして費用が高すぎた

【よくある失敗】
ショールームに行くと、最新の自動で閉まる引き出しや、美しい大理石調の天板、スタイリッシュなガラス扉などに目を奪われがちです。


あれもこれもとオプションを追加した結果、カップボード単体の見積もりが40万〜80万円以上になってしまい、全体の予算を大幅にオーバーしてしまうことがあります。

【対策】

  • 本当に必要な機能だけを見極める: 見た目の高級感も大切ですが、それが「使いやすさ」に直結するかを冷静に判断しましょう。例えば、扉の面材(カラー)をキッチンの本体と完全に合わせずに、あえて似た標準グレードの色にすることで、数万円〜十万円単位でコストダウンできることもあります。


実は満足している人も多いカップボード


ここまで失敗例を多く挙げてきましたが、事前にしっかり計画されたカップボードは、暮らしの満足度を最高に高めてくれる心強い味方です。


実際に満足している方からは、以下のようなメリットが多く聞かれます。

  • メリット① キッチンが驚くほど片付く: 定位置が決まるため、カウンターの上にモノが出しっぱなしにならなくなります。
  • メリット② 家電が1箇所にまとめられる: 調理の動線が短くなり、効率よくスムーズに料理ができます。
  • メリット③ 統一感のある洗練されたデザインになる: システムキッチンと色や素材を合わせることで、まるでホテルのような一体感のある空間が生まれます。
  • メリット④ 臨時の作業スペースが増える: カウンタータイプであれば、出来上がった料理を一時的に置いたり、お弁当箱に盛り付けをしたりするワークスペースとして大活躍します。


カップボードで後悔しないためのチェックリスト


家づくりの打ち合わせが進む前に、以下のチェックリストを印刷するかスマホに保存して、設計担当者と一緒に確認してみてください。

  1. [ ] ゴミ箱のサイズ・分別数を決め、配置スペースを確保した
  2. [ ] 現在持っている家電、将来買いたい家電の配置を決めた
  3. [ ] 家電の消費電力を考慮して、コンセントの数と位置を確認した
  4. [ ] パントリー(食品庫)との役割分担を整理し、容量を最適化した
  5. [ ] カップボードとキッチン本体の間の「通路幅(最低90cm〜100cm推奨)」を確認した
  6. [ ] デザインや見た目の高級感だけで選んでいないか再確認した
  7. [ ] 引き出しの深さが、手持ちの食器のサイズと合っているか確認した


まとめ:収納量ではなく「使いやすさ」で選ぼう


カップボードは、ただ単に「たくさんモノが入るから」という理由だけで選ぶと、高確率で後悔しやすい設備です。


特に、

  • ゴミ箱スペース
  • 家電の配置
  • コンセント計画
  • パントリーとのバランス

この4つのポイントを間取りの段階から事前に検討しておくことで、新築の失敗を大幅に減らすことができます。


大切なのは、「どれだけ収納できるか(収納量)」ではなく、「自分たち家族にとってどれだけスムーズに動けるか(使いやすさ)」を基準に選ぶことです。


これから始まる新しいお家での暮らしが、ストレスフリーで快適なものになるよう、ぜひ今回の記事を参考に満足のいくカップボード選びを進めてみてください。