
「キッチン収納はたっぷり欲しいから、とにかく大きなカップボード(食器棚)を付けたい!」 そう考えて間取りを計画する方はとても多いです。
しかし、いざ新しい家での生活が始まると、
などの理由で、後悔するケースが後を絶ちません。
カップボードは、一度設置すると簡単に買い替えや位置の変更ができない「一発勝負」の家具です。
この記事では、新築でカップボードを設置して後悔したリアルな実例と、失敗を未然に防ぐための具体的な対策を建築士の視点から分かりやすく解説します。

なぜ、これほどまでにカップボードで後悔する人が多いのでしょうか?その最大の理由は、「毎日何度も使う、キッチンの主役収納だから」です。
カップボードの計画を失敗すると、日々の料理や片付けのたびに小さなストレスが積み重なります。
さらに、以下の3つの特徴があるため、後から修正するのが非常に難しいのです。
だからこそ、間取りを考えている「今」の段階で、慎重に計画する必要があります。

ここからは、実際に新築を建てた人が陥りがちな「7つの失敗例」とその「対策」を詳しく見ていきましょう。
【よくある失敗】
「収納力は正義!」とばかりに、床から天井までぴったり隙間のない大容量の壁面収納(トールタイプ)を選んだ結果、キッチン全体が暗く、狭く見えてしまう失敗です。
特に20代〜40代に人気の対面式キッチンの場合、リビングから見たときにカップボードが主張しすぎて、せっかくの開放感が台無しになってしまうことがあります。
【対策】
これは設計現場でも「非常に多い後悔」の代表格です。
【よくある失敗】
食器や家電のことで頭がいっぱいで、ゴミ箱の存在を忘れてしまうケースです。
いざ入居すると、燃えるゴミ、プラスチック、缶・瓶など、想像以上の数のゴミ箱が必要になります。
置き場所がないため、結局キッチンの通路にゴミ箱を並べることになり、引き出しが開けづらくなったり、通るたびに足をぶつけたりしてしまいます。
【対策】
【よくある失敗】
「電子レンジと炊飯器が置ければ大丈夫」と思ってカウンターの幅を決めたものの、実際に暮らし始めると家電が溢れてしまう失敗です。
【置く家電の例】
これらを一列に並べると、驚くほどスペースを消費します。
調理家電同士がギチギチに詰まっていると、放熱ができずに故障の原因になることもあります。
【対策】
将来増える家電まで考慮する: お子様が大きくなるにつれて、自炊のバリエーションが増えたり、時短家電(電気圧力鍋など)を買い足したりする可能性が高くなります。現状の家電プラス1〜2台分のゆとりを持つか、炊飯器などは専用のスライド棚に収めるなど、立体的に配置を考えましょう。
【よくある失敗】
家電の数は足りたものの、コンセントの数が足りずに延長コードだらけになり、見た目がごちゃごちゃになってしまう失敗です。
また、コンセントの位置が電子レンジの真裏になってしまい、プラグが干渉して家電が前に飛び出してしまうというケースもあります。
【対策】
【よくある失敗】
カップボードの下台を「開き戸(観音開き)」にするか「引き出し」にするか、または引き出しの「深さ」を深くしすぎて失敗するケースです。深すぎる引き出しに小さなお皿を重ねて収納すると、奥の方にある皿が取り出しにくくなり、デッドスペースが生まれてしまいます。
【対策】
【よくある失敗】
「収納はあればあるほど良い」と思い込み、大容量のカップボードのすぐ隣に、さらに大容量のパントリー(食品庫)を作ってしまう失敗です。
結果として、どちらの収納もスカスカになり、限られたキッチンの床面積(坪数)を無駄に圧迫してしまうことになります。
また、収納を増やした分だけ建築費用も上がってしまいます。
【対策】
明確な役割分担を決める:
【よくある失敗】
ショールームに行くと、最新の自動で閉まる引き出しや、美しい大理石調の天板、スタイリッシュなガラス扉などに目を奪われがちです。
あれもこれもとオプションを追加した結果、カップボード単体の見積もりが40万〜80万円以上になってしまい、全体の予算を大幅にオーバーしてしまうことがあります。
【対策】

ここまで失敗例を多く挙げてきましたが、事前にしっかり計画されたカップボードは、暮らしの満足度を最高に高めてくれる心強い味方です。
実際に満足している方からは、以下のようなメリットが多く聞かれます。

家づくりの打ち合わせが進む前に、以下のチェックリストを印刷するかスマホに保存して、設計担当者と一緒に確認してみてください。

カップボードは、ただ単に「たくさんモノが入るから」という理由だけで選ぶと、高確率で後悔しやすい設備です。
特に、
この4つのポイントを間取りの段階から事前に検討しておくことで、新築の失敗を大幅に減らすことができます。
大切なのは、「どれだけ収納できるか(収納量)」ではなく、「自分たち家族にとってどれだけスムーズに動けるか(使いやすさ)」を基準に選ぶことです。
これから始まる新しいお家での暮らしが、ストレスフリーで快適なものになるよう、ぜひ今回の記事を参考に満足のいくカップボード選びを進めてみてください。